唐糸御前史跡公園は、鎌倉時代の「北条時頼の回国伝説」にまつわる「唐糸御前の伝説」を今に伝える史跡公園です。1994年に完成し、岩木山を眺望するリンゴ園の中にあります。
公園から西側に見える巨大な松のある「藤崎町斎場」が、唐糸御前が庇護を受け御前の死後その菩提を弔ったとされる平等教院(*)、後に弘前の長勝寺構(ちょうしょうじかまえ)が造られた時に移された「満蔵寺」の跡です。
*平等教院:後に霊台寺・護国寺・満蔵寺と名を変え、鎌倉文化が津軽に伝播される時の中心的な役割を果たしたのではないかとされる寺院
唐糸御前の伝説
「唐糸御前の伝説」は、鎌倉の五代執権・北条時頼に愛された女性「唐糸御前」の悲しい伝説です。
唐糸御前は、鎌倉の執権・北条時頼に仕える心根の優しい才色兼備の女性でした。時頼の寵愛を一身に受けるようになると、周囲の妬みから鎌倉を逃れ、生まれ故郷の藤崎に隠れて暮らします。
時頼が諸国行脚で津軽を訪れる際に、田舎に落ちぶれ見る影もなくやつれた自らの姿を悲しみ、近くの柳の池に身を投げました。
村人たちが唐糸御前の死を泣き悲しんでいるとき、時頼がこの地を訪れて唐糸御前の死を深く悲しみ、唐糸御前が通っていた平等教院という寺院に墓を営みました。そして鎌倉に帰る道すがら七日ごとに寺を建立しました。
今もその史跡を秋田県各地にたどることができます。
(一七日山…大館市釈迦内の実相寺、二七日山…秋田市内の釈迦堂光明寺、三七日山…西木村堂村の大国主神社)
唐糸御前史跡公園
住所 | 藤崎町大字藤崎字二本柳37 |
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アクセス | JR五能線「藤崎駅」より徒歩20分 |